イメージに縛られて
記事一覧へ公開日: 2019/05/03
イメージというのは、とても厄介なものだ。どれだけ高設定を打っても、どれだけ回る台を打っても、ちっとも勝てる気のしない台というのがある。その思いが頭にあるものだから、仮に高設定が打てそうな状況があっても、25回る台があっても、どうせ勝てないし……と足が遠のいてしまったりする。
人も、同じだ。あいつはざっくばらんな性格で、女性でありながら男前だぞ。持ってるものはブランド品ばかり。数百万円のバッグをいくつも持っているセレブだぞ。とにかくヒキが強くて、薄いところをバンバン引いてくる剛腕だぞ。
塾長おじさんからそんなことばかり事前に聞かされていたものだから、僕のなかでイメージが勝手に膨らみ、男前でセレブで剛腕という、なんだかよくわからない人物像ができていたのだけど、実際にお会いしてみたら、とても感じの良い方だった。
実際、10年ほど前に小田急線は登戸駅前の青空酒場で一度。5年ほど前にも福岡の居酒屋で一度、ご一緒したことはあるのだけど、メンタリティがオールウェイズ童貞の僕はその目を見ることすらままならず、ほとんど会話をすることはなかったと思う。
そんな男前でセレブで剛腕の水瀬さん。水瀬美香さんと、先月に行われたサイトセブンTV『マネーの豚 3匹目』の二回戦で対決をしてきた。結果については昨日(5月2日)に放送があったと思うが、水瀬さんは僕が勝手にイメージしていた女・梅沢富美男のような面影はひとつもなく、終始、良い方だった。対決に負けてくださったので、収支、的にも良い方だった。
※負けたにもかかわらず、子どもたちをぜひプールへと寄付をいただきました。ありがたい
そんな水瀬さんに、昼休憩で昼食をとっている際に、ふと、こんなことを聞かれた。
田中さんて、いま楽しいですか?
僕は2019年がこれまで生きてきたなかで一番、楽しいし充実しているので、はい、すげー楽しいっすよ。そう即答した。そして、楽しくないんすか? と訊ねたら、水瀬さんは少し寂しそうに、こう言った。
なんか、なんのために生きてるんだろうって最近、思うんですよね。
男前でセレブで剛腕のイメージがあった僕にとって、その答えは意外だった。でも、すぐに当然だとも思った。僕にだって、なにもかもがイヤだと感じた時期があった。塾長おじさんだって、半年くらい前まではそんな感じだったんじゃないかと、ひそかに僕は感じていた。
この人は悩みなんてないんだろうな。いつも明るくて楽しそうだな。イメージというものは、その内側に潜んでいる本当の部分を包み隠してしまう。イメージを取り払って、本質と向き合うことが、ときには必要なんじゃないか……。
どうしても必要な服を買うと言って母親にもらった2万円を、CCエンジェルであっという間に溶かしたあの日を境に、僕はメーシーというだけで勝てないというイメージを抱き、苦手意識を持ち続けてきた。告白すると、『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』も、あれだけ人気がありながら一回たりとも打ったことがない。だけどもイメージに縛られるのは、もうやめよう。次に帰国した際には『SLOTギャラガ』を打ってやろう。そう思いながら、youtubeでギャラガの動画をむさぼるように観る毎日である。
ライター・タレントランキング