学校の勉強より大切なこと
記事一覧へ公開日: 2019/07/12
僕はいまセブの地で、子どもたちに対していわば教育活動というものを行っているのだけど、子どもたちに直接、こうしろだとか、ああしろだとか、そういった話をすることは断じてない。この8年で、ただの一度もないと思う。
なぜか。彼らと同じような年代のときにクズ丸出しの生活を送っていた僕が、どんな顔で子どもたちに偉そうに話ができるのか、そう思っているからだ。
18歳のときの僕は、パチスロを打つことと、車の免許を取ることに命をかけていた。知っていてもまったく得をしないマニアックなリーチ目を、6浪した挙句に高尾大学に補欠合格した勉三さんのような心境でガリ勉し、一発で仮免に受かるよう、教習所に設置されたタッチパネル式の疑似テストを、指紋が擦り切れるまでタッチし続けていた。
※ガイド系のぱちガブより。ほんと、作業的には英単語を覚えるのとまったく同じだよなあと、いまになって思う
あの情熱をもっとほかのことに費やしていれば、いまごろもっと素敵な人生を歩んでいたのかもしれないが、僕が最後に受けた正式なテストというのは、そのときの、免許を取る際に受けたテストじゃないだろうかと思う。
たしか、猛勉強したにもかかわらず本テストに落ち、二度目のテストでなんとか免許を取得したように記憶しているが、それ以来のテストを先日、受けてきた。
TOEICというものをご存じだろうか。Test of English for International Communicationの頭文字をとった、いわゆる英語を母国語としない人たちを対象にした英語でのコミュニケーション能力をはかるテスト。
ソフトバンクでは採用時にTOEICスコア730点以上を求めるというし、日本マクドナルドで海外赴任をするためには800点以上が求められるという。点数で決められる人生なんてまっぴらごめんだぜ。そうは思っても、やっぱり免許は点数で合否がはっきり決まっているし、憧れのあの子だってきっと、男に点数をつけてマルとバツに振り分けているに違いない。
だったらやってやるよ。オレだって海外在住歴8年半だバカヤロー。そんな勢いのまま公式テストを受けたら、結果は555点(990点満点)。全受験生の平均、580点を下回る結果だった。
※平均点以下だけど、5が3つ揃ったからむしろアリだよね、と思う僕はやっぱりぱちんこ脳だと思います
いやいや、TOEICじゃない。オレが本当に欲しいのは北米留学につながるTOEFLの点数だバカヤロー。そう思ってTOEFLの模試を受けたら、最低でも60点はないとお話にならないと言われるなか、たった26点だった(120点満点)。
ああ、なんで僕は枠々上にドンちゃんがいるかどうかではなく、英単語のひとつも覚えなかったんだろう。そうは思うけれど、覚えていたからこそ拾ったリーチ目だってある。リーチ目談義を通して実った恋だって、たしかにある。
学校の勉強が苦手なら、別にそれでいい。ただ、マニアックなリーチ目を覚えることだって、一生懸命にやれば報われることだってある。ああしろ、こうしろと人生を説くことはできないけれど、せめて子どもたちには、けっこう拾えるので中リール条件付きの小役ハズレ目は覚えておいたほうがいいよと、それだけは伝えておこうと思う。
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