ゼロではない事実
記事一覧へ公開日: 2019/08/01
まず、クラウドファンディングのお礼を言わせてください。SNSはもちろん、この場もお借りして1ヶ月、しつこいくらい投稿し続けましたが、おかげさまで目標金額の600万円を上回る、650万6500円ものご支援をいただきました。みなさんのご協力のおかげです。本当に、ありがとうございました。
さて。日本で最初のクラウドファンディングは2000年にスタートしたと言われているけれど、campfireをはじめとする大手サイトができたのは東日本大震災のあった2011年。まだ10年も経っていないわけで、いまだクラファンで資金を募ろうとすると、そんな詐欺みたいなことしてねーで汗水たらして働けと言われることがある。
オーノー、令和の時代になんてこった。そうは思うが、気持ちはわからないでもない。思えば僕がプロフェッショナル・スロッターだったときも、スロなんか打ってないで働けと言われたし、フリーライターを名乗れば、そんなもんは仕事でもなんでもないと、知らないオヤジに酒場で絡まれたりもした。そういう方は、いつの時代にだっているわけだ。
スロを打つのも文章を書くのも、クラファンで支援を募るのだって、そのすべてが僕の仕事だ。マッチングアプリで出会った男女がたった3日で結婚してしまうこんな時代。なにが起こってもおかしくないわけで、そのうちクラウドファンディングを通してファン参加型のパチンコ屋をつくる人だって出てくるかもしれないと、そう思って確認してみたら、その試みはすでにあったようだ。
【日本初の365日新装開店のパチンコ店を作る】。スロッターなら誰もが考えたことのある、毎日が新装だったらいいのにという心をこれでもかとくすぐるタイトル。まさにパチンカーの、スロッターの夢を叶える企画だと思うのだけど、あれ? プロジェクトがすでに終了しているにもかかわらず、支援はゼロ?
3万円支援のリターンは、ご指定の日時にお好みのスロットもしくはパチンコを選んだあと、ご希望の出玉設定調整ができる権。つまり、開店後に指定の台の設定を、釘を、これでもかとイジることのできる権利。
4号機全盛期ならあり得たが、2018年、つまり去年公開されたプロジェクトでこのリターンは難しいだろう。そもそも目標額の300万円じゃパチンコ屋なんて作れないし。新台7台買ったら終わりだし。
このプロジェクトが実現可能な真っ当なものだったのかどうか。それに関しては存じないし、これ以上、言及もしないが、いくら審査があったとしても、審査する側に専門知識がないと、すべてを完全に判断するのは難しい。
そういうところの疑わしさが、いまだ完全に理解されないひとつの要因ではあるんだろうけど、それにしても、【365日新装開店のパチンコ店】か……。パチンコ参加人口950万人(レジャー白書2019より)。そのうち10人に一人が1000円ずつ出したら、100人に一人が1万円ずつ出したら、9億5000万円。ぜんぜん作れるんだもんなあ。
クラファンで10億集めて理想のホールを作る。ひと昔前なら想像もできなかったことが、いまは(可能性は薄いにしても)ゼロではないわけで。この、ゼロではないという事実は、なにをするにしても大きな希望だと思うわけです。
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