心のマグマ

その昔、パチスロ必勝ガイドの編集者に言われたことがある。田中くんはアピールしないからなあと。

実際のところ、僕の心の底ではいつだってマグマがグツグツと音をたてているわけだが、たしかにその熱量をオモテに出すことはほとんどない。仕事をくださいと営業をするのではなく、仕事を振りたいと思わせる文章を黙って書き続けることがライターにおける最大のアピールだろうがと、そう思ってきた。

※営業もアピールもしなかったら、一時期、パチスロ必勝ガイドからはこんな変な仕事しか入ってこなくなった。これが僕の仕事です

気になる女の子に対してもそうだ。男が好きだ好きだと口に出してどうする。誠実にしていればいつかは振り向いてくれるだろうと、そう思ってケン・タカクラを気取ってきたが、無口が実を結ぶケースは皆無。言わなきゃ誰も気がつかないし、察してもくれないのである。

たしかに、口に出すということは、それ相応のリスクを伴う。別に僕、そんな仕事したくなかったですし。もともと、そこまで本気じゃありませんし。口にさえ出さなきゃいくらでも言い訳できるし、責任だって回避できる。だけど、もう40が見え始めてきた大人の姿としては、いかがなものか。そうも思うわけだ。

先の参院選における、大崎さんをはじめとするライターの皆さんの投稿には、グッとくるものがあった。もちろん、どの政党に、候補者に投票するのかはそれぞれ事情も考え方もあるだろう。結果的におだち氏が落選してしまったのは、仕方のないことだとも思う。だけどもあの熱量は、これまで選挙に関心のなかった層を確実に動かした。僕も投票はできなかったが、それでも自分にできることはなにかあるだろうかと考えた。

※あの熱量は冷めてしまうのか、それとも……

真正面からぶつかったときの勢いというのは、やはり強いし、響く。ぱちんこ、パチスロ業界に限らず、昔はそんな人がたくさんいたし、そういう人に心動かされて僕という人間の骨格は形成されてきたわけだけど、いままた、世の中はそういう存在を求めだしているように思う。

物事を斜め上から見てセンスある風にみせるのもいいとは思うが、自分のなかで大切だと思うものにすらアツくなれない人間に、いったいナニができるっていうんだベイベー。好きなものすら好きだと言えない人間に、いったいナニが守れるっていうんだベイベー。

そんな思いで7月頭からやってきたクラウドファンディングも、残りあと4日。よろしくお願いします。

これからは心のマグマを解放し、少しアツく生きようと思いますベイベー。