準備2割
記事一覧へ公開日: 2019/08/23
開店する前の段階から、今日はあの台が間違いなく設定6だと、確信をもってそう言えたことが何度あるだろうか。
設定師を抱き込んで、あらかじめ高設定の配置を知っていたなら、そう言えるかもしれない。昔のようにポイントを貯めれば指定機種の設定6を打てるイベントなどをやっていたなら、今日は設定6を打つと確信をもって言えるだろう。
だけども、なにもない通常営業において、打つ前の段階から確信をもってあそこが6だと言い切れるケースは稀だ。かつてプロフェッショナル・スロッターだった僕は、事前の台読みだけで一週間のうち5日は高設定を打っていたと思うが、それだって、確信をもってこれが6だと絞り切れたことなど数えるほどしかなかった。
※ポロリプロとネオプラの高設定を狙いあっていたあのころは、たしかにプロフェッショナルだった
そんなこともあって、いまでもなにかを行うときは準備2割。あとはやりながら考えればいいじゃないかと、壁にあたるたびに立ち止まって、右へ行くか左へ進むか、それとも引き戻すのかを考えながらやっているわけだが、世の中には先に100の準備をしてから、その通りに物事を進めたい人たちもいる。
へいへい、準備ばかりしていても物事は前に進まないんだぜ。お前らが準備に時間をかけている間にオレたちは先へ進み、現場の状況を知って、改善しながらまた、先に進むんだ。まだスタートすらしていないのかい? キミたちの準備に終わりはあるのかい?
僕は100%の準備をしないと前に進めない人たちに対してそう思ってきたし、いまでも頭でばかり考えて前に進まない人を見ると、もどかしい気持ちになる。打ちに行かないことには設定1も6もないわけで、まずはホールに行こうぜと、そう思ってきたわけだが、今日ほど準備を大切に思ったことはない。
ほとんど準備もしないまま、机の上の小銭をぐしゃっとポケットに突っ込んで慌てて家を出たはいいものの、どうやら家の鍵を持たずに出たようで、夕方に家に戻るも中に入れず、押しても引いても開かない家のドアを前に万事休す。右のドアも左の窓も開かず、引き返したくても身動きの取れない土砂降りのなか、ホールの休憩所で漫画読みながら雨が止むのを待つことも叶わないフィリピンの地で、家を出る前にせめてもう少し準備をしていればと思うわけです。
※大雨が降っても楽しめるフィリピン人のように、わたしはなりたい
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