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元クズ田中

寝坊の代償

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公開日: 2019/08/31

いつもは家を出る1時間前にはきっちり起きて準備をする僕だけど、その日はアラーム音ではなく、耳元でヴーヴーと震えるスマホ音で目が覚めた。

 

あー出た出た。いまどちらにいらっしゃいますかー?

 

電話口から聞こえてくるインターンの女の子の声をきいて悟った。ああ、寝坊したな、と。

 

前日にメシを食ったお客さんがめちゃくちゃ飲む人で、それに付き合ったものだから大泥酔。ただ、二日酔いどころか起きてなお酔いのさなかだったから諦めもついたし、インターンの子たちがその日の予定をフォローしてくれたので大きな問題もなくやり過ごせたのだけど、過去には背筋が凍るような寝坊もあった。

 

一番の寝坊といえるのは、ガイド時代のそれだと思う。このときも朝に電話の音で目が覚めたのだけど、聞こえてきた声はインターンの女の子ではなく、塾長おじさんだった。

 

お前、いまどこ?

 

え? いま起きましたけど。

 

このときはまだ、状況がつかめなくてなにが起こっているのかわからなかったが、「もうすぐ開店するぞ」という言葉を聞いて背筋が凍った。

 

時は、いまから17年前の2002年8月。この日に導入された新台は、歴史に名を刻んだ獣王の後継機、猛獣王Sだった。

 

 

※新装初日に天井までハマって不機嫌そうだった塾長おじさんだが、天井到達後はチェリーを引くたびにサバチャンに突入する仕様を偶然発見し、大逆転。上機嫌で帰っていったのを覚えている

 

 

話題の新台。その新装初日のデータ取りに寝坊したくらいであれば、まあ、データ取れませんでしたエヘヘで済むと思う。いや、済まないか。でも編集部にちょっと怒られるくらいで終わると思うが、この日は店がデータ取り用に3台、台をキープしてくれていて、僕たちガイドの人間は抽選を受けるまでもなく、ホールで新台を打てることが確定していたのだ。

 

そんな中で寝坊したら、どうなるか。抽選に漏れた人間がキープされた台を指さし、ここにもう1台あるじゃねーかと、なにがパチスロ必勝ガイドのキープ台だと、誰も打ってないなら解放しろと声をあげるに違いない。店としても好意で提供したにもかかわらずライターが寝坊でこず、空き台のまま放置しなければいけないのだから、そりゃ怒るに決まっている。

 

ああ、これヤバいなと思った。これ干されるなと思った。思ったのだけど、人間というのはどうしようもない状況に追い込まれたら開き直るものなのだ。

 

当時、僕が住んでいたのが東京の葛西というところで、実戦店は千葉の柏だか松戸だか、そのあたりだったと思う。いずれにせよ電車で小一時間かかるわけで、じたばたしても仕方がない。そう思った僕は、深々とタバコを吸い、いつもより長めのお風呂に入り、ゆっくりと家を出た。

 

昼前に店に到着し、白い目で見られながらも打ち始めた猛獣王は間違いのない低設定で、めちゃめちゃに負けた。そしてその翌日、僕はガイド編集部から、しばらくお前には仕事を振らないよという、事実上の干され宣告を受けたのだった。

 

 

※当時の副編集長にしばらく仕事を振らないと通告されたが、じゃあプライベートで打って勝てばいいやと、打てる時間ができたぞと思った。当時のガイドスタッフなら、みんなそう考えたと思う

 

 

2002年にTwitterがなくてよかった。SNSがあったなら、間違いなく炎上案件だと思う。

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