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元クズ田中

なくしたモノ

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公開日: 2020/02/01

夢をなくし希望をなくし、プライドだってなくした人生ではあるが、これまでにいちばんなくしたものはナニかといえば、これはもう、考えるまでもなくスマホだろう。

 

ポケットの中にスっとおさまるガラケー時代にはなくすこともなかったが、スマホが主流になってからこっち、いったい、いくつなくしてきたことか。

 

大きければ大きいほどいいという考え方はいかがなものだろう。たとえ小さくとも、それをカバーするだけの機能性を追求するのが平均サイズ13センチ、ジャパンに生まれた者の運命であるはずなのに、ぱちんこの筐体にはどんどん余計なおもちゃが付いていくし、スマホはどこまでも大きくなるばかり。ポケットにおさまらないサイズのスマホのやり場に困り、なにげなく置いたタクシーのサイドポケットに忘れてきてしまうことだってあるわけだ。

 

 

※白タクやらトライシクルやらで何度スマホを落としたか。戻ってきた率、0%

 

 

安心と信頼のジャパンなら、タクシー会社に連絡すればスマホはまず戻ってくるだろう。だけどこれが、東南アジアの島国の、空港に向かう際に乗った白タクだったならどうだろうか。

 

スマホがないからそもそも運転手とは連絡が取れない。パソコンを開いて配車アプリをたどれば運転手と連絡を取れるかもしれないが、もう30分後に飛行機は飛んでしまうわけで、もはや受け渡しをする手段はない。

 

このまま運転手がスマホを売りさばき、いくらかの金を手にしてこれは神からのプレゼントだと、家族でささやかなディナーに行ってくれるなら。バカな日本人がいたものだと友人と酒を飲んでくれるなら気もラクだが、優しそうな顔をしていたあいつは、きっと思い悩んでいるに違いない。

 

なんとか僕の手がかりを探そうと6桁のパスワード、100万通りをすべて試し、途中であれ? いま何番だっけと混乱してはいないだろうか。顔認証を成功させるために、僕の顔を思い出しながらモンタージュを作成したりしないだろうか。

 

スマホはいつの間にか、通話やメッセージをやり取りするだけのモノではなく、人生のつまった箱となった。落とした者も拾った者も、その負担が大きすぎやしないだろうか。

 

シンプルイズザベスト。大きくなりすぎたスマホも、おもちゃの付いたぱちんこも、もうこれっきりにしようじゃないか。思い悩んでいるあいつの負担を少しでも減らしてやりたい。そう思って飛行機からおりてすぐに落とした電話に連絡を入れてみたが、すでに電源が落とされていた。

 

売る準備、満々じゃねーか。いい酒飲めよ!

 

 

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