Tomorrow never knows

福岡県で放送中のパチンコ・パチスロ番組『NEXT!!』で共演中のくめっちから電話があったのが1/9のこと。
年始の挨拶もそこそこに、仕事の話でもするのかと思いきや、いつもと様子が違うくめっちが鼻息を荒くして切り出したのは、いま世間を賑わせている仮想通貨の件でした。

「ゲンさん、仮想通貨ですよ仮想通貨。いま時代は仮想通貨です。僕、はじめて一週間程度なのに5万も儲かっちゃいまして。しかもまだまだ上がりそうな気配でして。ちなみに、オススメの銘柄は…」

いつもは聞き手に回ることが多いおとなしめな性格である彼が、畳み掛けるように仮想通貨を押してくるその様は、まるでバルサの波状攻撃。
縦から横からナナメから。◯◯社長は恐らく億は儲けているだとか、この銘柄は必ず上がるだとか、仮想通貨に全く興味のなかった僕もついつい身を乗り出して聞き入ってしまうほどでした。

しかし、一通り話を聞いた後、僕の中のセルヒオ・ラモスがちょっと待てと、そんな旨い話があるのかと、冷静に仮想通貨という名のピッチを見渡します。
仮想通貨に関しては全くの無知だけれど、こういうのって儲かる人間がいればいるほど、それに比例して損する人間も出てくるのではないだろうか。だとしたら、今すでに何百万何千万と儲けている人間がいる状況でスタートすれば、僕は完全に喰われる側、つまり損する側にまわってしまうのではないだろうか。

もちろん、くめっちはただただ純粋に「一緒に儲けたい」という気持ちで勧めてくれているのはわかっています。実際彼はこの時点で順調に資産を増やしていたわけですし、だったらゲンさんにも…と完全な善意、混じりっけなしの善意で僕に勧めてくれたというのは十分わかっています。

ただ、そんな旨い話があるのだろうか……と考えた末、僕の中のセルヒオ・ラモスは大きくボールをクリア。仮想通貨が年始からこれまでの約一ヶ月でどうなったのかを見る限り、あの時の判断は正しかったと、そう思わざるを得ません。

ごめん、くめっち。

朝イチから2時間足らずで2000枚を吐き出し、その余裕からさっさとICカードも精算し、今日は一体何枚出るんだと、ハナビで万枚もあるんじゃないかと昼メシも摂らずにブン回した結果、12連続バケという日本記録を更新した挙句にだいぶ減らしてパチ屋を後にしたあの日、高設定濃厚なハナビのスランプグラフですら先が読めないんだから、仮想通貨には手を出すまいと、僕は心に決めたんだよ。