パチンコ・パチスロブログ

リスキー長谷川

『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』デビュー秘話

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公開日: 2021/05/12

 

 

 

冒頭、個人的なことから言わせてもらえば、確実に筆の進みが遅くなった。このコラムの締切りをDMMぱちタウンさん側のお言葉に甘えてかなりぶっちぎっているのだが、どうしても頭の書き出しが決まらない。書きたいことは決まっていても形にすることがこれほど難しいとは。当時息をするように文字を書いていた時代が懐かしい。慣れなのかそれとも老いなのか。

 

のっけからこんな始まりで申し訳ないですね。でもね、今年数えで50歳の大台に乗るおじさんだからわかる。本当にあらゆることが劣化していくのよ。なのでやりたいと思ったことは今すぐ取り掛かったほうが絶対にいい。そんなこと思うようになりました。

 

 

さて1本目のコラムにて前振りもさせていただいていますので、弊社ユニバーサルマシンの中でも近年最も評価された機種の1つでもある『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』のデビュー秘話について書きたいと思います。この機種の存在なければ、そうあの一大イベントはきっと生まれていないことでしょう。思い返してもイベントまでの流れはドラマティックだったなぁ。

 

機種開発をする上で、版権モノはまず商品化許諾契約を出版社なりライセンサーと結ばなければなりません。もちろん好き勝手結べるわけもなく、こちらから許諾をお願いして結んでもらうこともあれば、他社もその許諾を得たい場合はコンペになることもあります。ちなみにコンペの場合、金額をベースとした条件が一番大事ですが、その機械を作る想い等が考慮されることもあります。

 

『魔法少女まどか☆マギカ』は、ちょうどアニメが放映されたタイミングでお声がけさせていただきました。「弊社開発チームが絶対にいいものが作れる!」という社内プレゼンもあり、許諾のお願いに至ったわけです。ユニバの商品化許諾のルールとしては、マーケティング主導ではなく開発陣が本当にいいものを作ることができるか否か。そこが最終的に入札するかのポイントとなります。

 

アニメは最終回の放送延期になり「いつ放送されるのか」が話題になったことも世間に知れ渡るきっかけになったのかなと思っています。結果、新聞の全面広告で最終回放送告知が行われたように、社会現象の1つになったと言っても過言ではないでしょう。『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』のヒットは、もちろん機種の完成度の高さも一因でしょうが、当然牽引するアニメの大ヒットは弊社にとって追い風であったことは間違いありません。

 

 

 

 

弊社も開発を進めて約2年、2013年夏過ぎに適合を得ることができました。タイミング的には『魔法少女まどか☆マギカ』の続編かつ完全新作の『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』が公開される寸前ということもあり、機械販売タイミングとしてはこれ以上ないものでした。

 

ここからが私の仕事です。『魔法少女まどか☆マギカ』の注目が高い時に販売できるのは弊社にとっては追い風。

 

今でこそパチンコ・パチスロ業界内でも超A級版権という認識を持ってもらえるとは思いますが、当時は「『まどか☆マギカ』。……これはいわゆる萌系アニメでしょうか」という認識を持つ人も多く、[新編]の映画公開は本当に追い風でした。

 

しかし映画の公開は[新編]。我々が機械で使わせて頂いている素材はテレビアニメ版です。まずその部分で世間を混同させてはいけない。つまり、映画の宣伝期間とパチスロの宣伝期間をダブらせてはならないと考えました。

 

そしてもう1点。アニメファンを中心とした『まどか☆マギカ』熱の高さをどう業界内で伝えればいいか。ストーリーもキャラクターとタイトルから想像できるのは「可愛らしい魔法少女が悪と戦う」みたいなものを想像しがちですが、実際は大人が見てもその展開に引き込まれるダーク・ファンタジー。

 

当然パチンコ業界内でもこのギャップ、認識を埋めてもらわないと機械の良し悪しを判断してもらうまでに行き着かないなと考えました。中身を知る前に包装紙の段階でいらないと言われてしまうのはメーカーとしても得策ではないし、そういう判断を喰らってしまえば仕事的には惨敗ですから。

 

 

 

 

そこでいろいろと模索した故に思いついた……というか行き着いた答えが、前代未聞、直接のお客様(購買いただくという意味)であるホール様ではなく、遊技をして根幹を支えてくれるユーザーを中心にお披露目を行う、というもの。

 

一般的には(先見せといって大手チェーン店等に発表数日前に見せることはあっても)、営業開始タイミングの数日後にプレス発表会となり、その後情報がネットや雑誌で拡散。そして発表から2ヶ月程度でホールデビューとなり、当然ながらユーザーはそこで機械を初めて触れるという流れになります。

 

『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』はまずファンにお披露目するというスケジュールを第一としました。これは先にも触れてように[新編]映画公開のタイミングもありながら、本機の発表に対してユーザーの熱気を最大限活用し、その熱をホール様が感じ取ることによってこの版権の注目度を感じてもらうための施策です。

 

 

 

 

 

そこでユーザー試打会等、既存の枠にとらわれないイベントと考え、ユニバーサルカーニバル、略してユニバカの開催へとつながるわけです。イベント最大の催しは『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』のユーザーへの紹介。しかも導入前の機種が試打できる。今ほどSNSが身近ではなかったものの、その話題性は凄まじいものでした。

 

 

 

 

そして同時にメーカーサイドがユーザー向けにイベントを仕掛ける。昨今のユニバカサミフェス以上に手作り感満点のイベントで、我々も手探りであり、どのくらいのファンが足を運んでくれるかすら想像できない中、会場に人が入りきれないくらい集まってもらえたのは嬉しい限りでしたね。素直に有難かったし、嬉しかった。こんなにパチンコ・パチスロの……その中でもユニバーサルマシンに興味を持ってくれる人がいるんだ……。多分関わった全社員がそう思ったことでしょう。メーカーの人間、いわゆる中の人ってファンの方々と直接触れ合う機会なんて持てないですからね。

 

イベントはトラブルもなく大成功。『SLOT魔法少女まどか☆マギカ』のセールスプロモーションにも確実に繋がり、その後の大成功は皆様も知っての通りです。

 

 

 

 

最後に。第1回目の会場は、池袋のサンシャインシティでした。そう池袋といえばサミーさんのお膝元でしたね。当時はまだZEEG等での接点も全くなく、世の中的には永遠ライバル、犬猿の中と思われていたユニバーサルとサミー。そんなサミーさんのお膝元池袋でイベントを行うことについて、多くの人が「長谷川さん、サミーさんに喧嘩売りすぎじゃないですか?」と問われたものです。

 

これ、全く喧嘩売るつもりはなく、単純に会場がそこしか空いていなかったというのが答えになります。そんなところで揉めたところで全く得ないですからね。

 

でもその後、ユニバカは回を重なるごとに盛り上がりを見せ、サミーさんと共同開催するようになるなんて、誰が想像できましたかね。

 

 

 

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(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS
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