心あたりアリ

人はラクなほう、ラクなほうへと流されていく、弱い生き物だ。

絶対に妥協せず、良い台を見つけるまでは何件だって店を回ってやろう。そう思ってはいても、雨が降れば、まあいいやと最寄りのホールのジャグラーで茶を濁すことだってあるし、負けが込んでくれば、絶対に勝てるという甘い文句に誘われて、いかがわしい攻略法を購入することだってある。

若かりし頃に流行っていたダイヤルＱ２でビーマックスの攻略法(クレジット表示を何枚にして２枚手入れの１枚ベットで●ゲーム消化というアレ)を買って、まんまと騙されたことがある。うちの親戚は某攻略会社から海物語の攻略法を３００万円で買って、これまた物の見事に騙された。

こうやって、ラクなほうへ流れていった人間は最終的に冷静な判断力を失い、結果、クチを開けて待ち構えていた悪い連中に、ガブッとやられることになる。

だけども、人はそういった痛みを経験して、学ぶわけだ。とあるAKB４８のメンバーがあなたに悩みを聞いてほしいと言っているというマネージャーからの連絡がきたとしても。たとえ、旦那を亡くして寂しい夜を過ごされているアケミさんがあなたと月間２００万円で愛人契約を結ぶことを望んでいるという夢のような話が舞い込んできても。そんなバカな話があるわけないと、人は学んで、自分にストップをかけることができる。だけども、そこに多少の後ろめたさが加わったなら、どうだろうか。

こんなショートメールが今朝、送られてきた。ＤＭＭで有料動画とくれば、思い当たるのはもちろん、アダルトな動画だろう。

セクシー女優やアダルト業界に最大限の敬意を払っている僕は、業界の発展を願って、できる限りコンテンツにお金を支払うことを心掛けている。秀逸な企画であれば実際にＤＶＤを購入すべきだと思うし、少なくとも料金を払ってダウンロードなりレンタルなりするのが、僕のちっぽけな人生に彩りを与えてくれている女優さんに対する誠意だろうと思っているわけだが、自分の気づかないところで有料動画のタダ観をしてしまっているのだろうか。もしかして、人には言えない性癖を打ちこんで検索したあの動画が、それにあたったりするのだろうか……。

誰だってスネにひとつやふたつ傷をもっているものだ。なにが正解かわからず疑心暗鬼になった挙句、この苦しみから解放されたいと、思わずお金を振り込んでしまう気持ちは十分にわかるし、後ろめたさがあったからこそ僕も記載された番号に思わず電話しかけたが、ちょっと待てよ。ＤＭＭって、いま僕が文章書いているここも、ＤＭＭじゃないか。

そう思って調べてみたら、なんのことはない。これは「株式会社ＤＭＭ．ｃｏｍ」とはなんら関係のない、その名を装った架空請求とのこと。

というわけで皆さん。いくら後ろめたいことがあっても、架空請求には引っかからない。ガセ攻略法は買わない。アダルトコンテンツにはしっかりとお金を払う。以上３点、過去に心あたりがありすぎて架空請求に５０００円振り込んだことのある僕からのお願いです。振り込んだ翌日から、類似の架空請求が日に３００通くらい送られてくるようになりました。