まあねと濁す、実家かな・元クズ田中

37歳の子どもが、孫が、ひとり者というのは、20歳前半やそこらですぐさま結婚してしまうことが当然の田舎では、一大事だ。

この子はなにか身体的、もしくは精神的な問題を抱えているのではないか。そんな空気が「早く結婚しろよ」と笑い話になる要素を掻き消して、二人きりになったときに、口を開くことにすら覚悟が必要になるほどの重い空気を巻き起こす。

おまえも早く相手を見つけないと……。

二人きりの部屋で、もうすぐ90歳になろうかという祖父母に気を遣わせるやるせなさったらない。三点リーダひとつやふたつでは言い表せない、6つの点以上に言いたいことがあるのだろうことは承知しているが、明確な答えを返せない以上、「まあね……」と、こちらも歯切れの悪い点で濁すしかない。

人間が大好きです。人類みな兄弟です。いまにもそんなことを言いだしそうなイメージのある僕ではあるが、実際は正反対で、自分以外の人間には、なにも期待もしていない。それはどうせ人間なんてという悲観的な意味ではなく、自分の人生に責任を持てるのは自分だけだから。もちろん瞬間的な好意の、厚意の、行為のやり取りはあるかもしれないが、いよいよのところで他人にケツを拭いてもらおうなんて思っちゃいないし、他人のケツを拭いてやろうとも思っていない。他人に迷惑をかけるぐらいなら野垂死のうと思っているからいつだって身軽でありたいと、できるかぎり人に、社会に、責任を負っていたくないという思いがある。

2015年時点での生涯未婚率、つまり50歳までに一度も結婚をしない男性は23.37％。実に約4人にひとりは未婚のまま死んでいくというが、そりゃそうだ。ここの本丸であるDMMのサービスを見たって、家にいればいつだって動画を観られるサービス。誰かが家事を代行してくれるサービス。ソーシャルゲーム。アイドル応援。FX。VRと、人とリアルに接しなくても生きていけるサービスが目白押し。世の中をリードするDMMのいまを見れば明らか。流れは確実に「独り」に向かっている。

過剰に期待することがないからこそ、僕は独り遊びの代表格であるパチスロに惹かれたのかもしれない。一度期待してしまうと際限なく期待し続けてしまうのが人間だとしたら、確率通り、スペックの範囲内で期待“感”を演出してくれるのがパチスロだ。どんなに煽られようが、アステカのCT突入率が2分の1という事実は変わらないわけで、たとえ自分の意にそぐわない結果になったとしても、結局は2分の1なのだからと割り切ることができる。スペック以上の見返りを期待するから裏切ったり、裏切られたりするわけだ。

となると、次にDMMに始めてほしい新規事業ナンバー1は、DMMレンタルワイフ。もちろんお貸しくださるワイフに過剰な期待はしません。お盆と正月の間だけで良いので、ばあちゃんに気を遣わせなくていい、そんなサービスの開始を心待ちにしています。