ありがとうの行き先

こんな経験をさせてくれてありがとう。子どもたちが口々にそう言った。

感動しました、ありがとう。観にきてくださった方が口々にそう言った。

どうしよう、僕はなにもしていないのに。こうやってありがとうと言ってもらっていいんだろうか。そんな気持ちがあふれてくる。

子どもたちの努力が人々の心を打ち、そんな子どもたちの姿を見て、支援してくださる方はさらなる応援をする。もう、このわかりやすいダイレクトな関係性で成り立っているところにおける、僕の存在とはなんだろうか。僕の存在する意義とはなんだろうか。

ありがとう。そう言った子どもの目は輝きに満ちていた。ありがとう。そう言った大人の目は感動に満ちていた。僕のところに集まってきたありがとうを、さて、僕はどうするべきだろうか。

ガルさんが投稿したTwitterには、すべてのきっかけを僕がつくったとあった。たしかにセブンスピリットを設立したのは僕だ。だけど、僕がセブンスピリットをつくったもとを辿れば、そこにはパチスロがあり、ぱちんこがある。

ぱちんこ、パチスロ業界の、子どものように真っすぐで純粋な人たちと出会わなかったら。クズの僕に頑張れよと声をかけてくれる読者さんがいなかったら、セブンスピリットはなかった。

もとを辿れば、きっかけはこれを読んでくれている皆さんにある。僕のところに集まったありがとうの行き先は皆さんだと思う。

ありがとうございます。

人生はときに華やかで、そしてときに残酷だ。昨日、華やかな東京公演を行ったその翌日。つまり、今日。セブで火事が発生し、いま日本にきている子ども3名の自宅が全焼した。

次々と降りかかってくる苦難。それを乗り越えられるきっかけが僕につくれるのなら。皆さんにいただいた機会を、しっかり活かしたいと思っている。